※BORUTO第2部、最新16話時点での記事です。読んでいない方はネタバレ等にご注意ください。また、個人的な妄想を含んでおります。
カグヤ、お誕生日おめでとう🎉
— NARUTO・BORUTO【原作公式】 (@NARUTO_kousiki) August 15, 2023
空間を自在に操るチャクラの始祖をお祝いしよう🍑🍑🍑#カグヤ誕生祭 #NARUTO pic.twitter.com/qO3ceTo1XJ
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『BORUTO』における忍者の戦力は本当にインフレーションを起こしているのでしょうか。
かつての『NARUTO』で頂点とされた力を、わずか一世代で軽々と超えてしまう新世代の忍者たち。科学忍具、遺伝的な才能、神の力──
これらの要素が、忍の世界の力の概念を根本から覆しつつあります。
果たして、これは単なる戦力のインフレなのか、それとも自然な世代交代の必然なのか。
『BORUTO』における力の変遷を徹底検証します。
意外とインフレは起こっていない説
科学忍具、神術など、『NARUTO』には無かった新要素が登場している『BORUTO』
「鍛錬を積んでいなかった者が突然強くなる」場合が多く見られる本作品ですが、それだけでは頭打ちになることも教えてくれます。
その結果、『NARUTO』最終盤のトップ層を超える新キャラの戦力は出てきていないのではないかと考えます。
その理由を挙げていきます。
チャクラの実を食べた登場人物はカグヤだけ
『BORUTO』に登場する敵勢力は、「チャクラの実」を食べることを最終目標にしています。
最強候補の一人である人神樹・十羅も興味を示しています。
しかし、この実にありつくことができた登場人物が大筒木カグヤしか確認されていないというのが現状です。
『BORUTO』における真の戦力インフレは、「チャクラの実」を喰らった者が現れてからかもしれません。
カグヤとイッシキの序列
カグヤとイッシキが星に降り立った当時の上下関係は、イッシキが上だったとされています。
そのためカグヤには、神術「楔」で自身のバックアップデータをつくりだし、十尾の餌になる役割が与えられていました。
しかし、カグヤが「チャクラの実」を食べたのはその後の話になります。
星全体のチャクラを内包した実を食べたカグヤが、それでもイッシキの強さより劣っていたとは一概に言えないはずです。
コードの実力はあくまで「ジゲン以上」
特にコードの身に起きた「反応」は驚異的で その戦闘能力はあのジゲンをも上回るものだった
BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-巻ノ十五ナンバー56:コード|岸本斉史・池本幹雄
アマドのこの発言から、制限を解除したコードの実力は、ジゲンを超えるものであることが明らかとなっています。
しかし、あくまで「ジゲンを超える実力」であり、イッシキの実力を超えているかどうかには言及していません。
エイダやデイモンも、ジゲンを超える力を持った存在として処分される予定でした。
カグヤ、イッシキ以外の大筒木
大筒木イッシキの強さが衝撃的であったのは確かです。
しかし、カグヤとイッシキ以外の大筒木一族の実力はというとどうでしょうか。
- モモシキ→ナルト、サスケ、ボルト
- キンシキ→我愛羅、ダルイ、長十郎、黒ツチ
- ウラシキ→ボルト、ナルト、サスケ、自来也
強いのは間違いありませんが、全員一時的な力に頼らず対処できる範囲の強さでした。
ナルトとサスケのピーク
ナルトとサスケは二人がかりでジゲンに挑みましたが、その圧倒的な強さを前に成す術はありませんでした。
しかし、当時のナルトとサスケの実力は、第四次忍界大戦終盤のものよりも劣っていると考えられます。
扱える術の数は少なくなっていますし、術の規模もまるで違います。
何より、ナルトの形態が物語っています。
また、作者の池本先生は、『NARUTO』の72巻時点のナルトとサスケを「最強」としています。
『NARUTO』の72巻の時点で、ナルトとサスケが最強になっているんで、あの人たちがどっかにいるんやなと思うと、安心感がすごいんです。ただ、それは逆に言うと、緊張感がないわけです。どんな敵が現れても、どうせナルトとサスケがいるしな、となってしまいます。いまは事情があって忙しいけれど、あとで遅れて来るだけでしょ。いつ来るんだろうなという緊張感のない感じになってしまいます。
かといって、ナルトとサスケがいい勝負をする敵ばかり出てきたら、ボルトは活躍できない。そこが難しいところですよね
師匠に学ぶところ、師匠と異なるところ
『NARUTO』の岸本斉史と『BORUTO』の池本幹雄が語る「師弟関係」(https://courrier.jp/news/archives/376207)
戦闘スケールは拡大していない
インフレが起こっているかどうかを判断するうえでわかりやすい基準として、「戦闘の規模」というのは第一に挙げられそうです。
『BORUTO』の敵の特徴としてで意外な点が、地形を変えてしまうような攻撃を持つ者がいないということです。
「尾獣玉」を使うことが可能である十羅がやっと現れたというところです。
「攻撃の質」という点で考えると話は変わりそうですが、規模という点では割とインフレは起こっていないのではないでしょうか。
チャクラ量の差
上記の「戦闘の規模」に付随する要素として、単純な「チャクラ量」という面で見てもインフレは起こっていないと考えられます。
『NARUTO』の終盤では全ての尾獣が参戦し、利用されています。
カグヤに至っては、星に住むほぼ全ての生物のチャクラを吸収して戦いました。
『BORUTO』にここまでのチャクラ量を持つキャラクターは登場していません。
一部の科学忍具が柱間と類似
忍の修業をしていない者でも術やチャクラが扱えるようになる科学忍具は、忍界で革命を起こしたと言えます。
特に、アマドの技術力は異常でした。身体の組織を科学忍具に再構成することができます。
ただ、その性能としては、『NARUTO』で言うところの「柱間細胞」に似た点が複数見られます。
- 再生能力
- ウイルス型(吸い込んだ者は行動不能に)
- 体の形状を変化
不思議なことに、これらの性能は木遁を扱う者の能力と共通しています。
もしかするとアマドは、柱間細胞を研究対象にしていたかもしれません。
神術に匹敵する術の数々
『BORUTO』では忍界の常識を変える新能力として、「神術」が登場しています。
忍術や仙術の上位にあたる能力とされており、戦力のインフレが起こっている根拠となる要素の一つです。
しかし、『NARUTO』の時点でこの神術に匹敵する効果を持つ術がいくつも登場しているのも事実です。
「無限月読」「神・樹海降誕」などは、その効果や規模ともに群を抜いています。
人神樹の戦闘力
輪廻眼を持っているが…
幼体の十尾が異例の進化を遂げた姿として登場しているのが人神樹です。
『BORUTO』は「進化」をテーマにしている側面もある作品です。
その眼に「輪廻眼」を宿している人神樹ですが、存分に「輪廻眼」の効果を使っているかというとそういうわけではありません。
現状、原型となっている存在の術を中心に戦っています。
人神樹の戦闘経験
人神樹・左の戦いぶりを見る限り、自身の持つ術の使い方を把握していませんでした。
戦いの中で学習しているといった様子でした。
はじめから圧倒的な強さを持っているというよりも、忍のように成長することで強くなっていくタイプであると言えます。
『BORUTO』では、それぞれのキャラクターに欠点が用意されている意図を感じます。
まとめ
『BORUTO』における戦力インフレは、一見華々しく見えながらも、実際には慎重に制御された成長過程にあることが明らかになりました。
新世代の忍者たちは確かに新たな力を持っていますが、『NARUTO』の最終盤で到達した最強世代を簡単に超えるものではありません。
むしろ、作中では各キャラクターに意図的な限界や成長の余地が用意されており、戦力の急激なインフレを防ぐ仕掛けが随所に施されています。
科学忍具、神術など、一見すると破格の力に見える要素も、実は綿密に設計された物語の歯車の一部なのです。
結論として、『BORUTO』の世界は、単純な戦力のインフレではなく、慎重に描かれた世代交代の物語と言えるでしょう。
新旧の忍者たちのバランスを保ちながら、読者に新鮮な驚きと興奮を提供し続けているのです。
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